2024 旅行特典および顧客 エンゲージメントに関するレ ポート
コリンソン・インターナショナルの委託を受け、Cintが実施した調査
レポートの概要
コリンソン・インターナショナルが委託し、データ収集会社のCintが独自に実施した最近の調査に基づく本レポートは、旅行特典の充実によるカード・バリュー・プロポジション(CVP)の改善の重要性を強調しています。本レポートは、アジア太平洋(APAC)地域の銀行に、クレジットカード利用における消費者の嗜好と行動の分析から収集した実用的な洞察を提供します。本レポートでは、CVPの戦略的改善が、顧客の獲得、維持、および総合的な満足度にいかに大きな影響を与えるかを強調しています。コリンソンは、これらの要因に取り組むことで、銀行が進化する消費者の期待によりよく応え、市場での地位を強化し、永続的な顧客ロイヤルティを育むことを支援します。
旅行の力と影響力
伝統的な銀行は、市場からの圧力の高まり、消費者のロイヤルティの変化、新規参入企業やデジタルネイティブ企業との競争の激化に直面しています。伝統的な銀行のNPSが新時代の競合に大きく後れを取っている 今、旅行は伝統的な銀行と広範な金融サービス部門の双方にとって期待をもたらすものとなっています。 旅行は、最も急成長している消費支出分野の一つであり続け、消費者の 3人に1人が旅行で通常より多く消費する予定を持っており、これは食事に次いで第2位です。
旅行が消費者にとっての優先事項である中、本「2024 旅行特典および顧客エンゲージメントに関するレポート」は、旅行が特に決済カード会員の行動に及ぼす力と影響力について考察しています。調査では、APAC地域の旅行者の半数が1年に5回より多く飛行機を利用していることが明らかになりました。パンデミック後の旅行セクターの回復力は、APAC地域全体の消費習慣とライフスタイルにおける選択を形作る上での、旅行セクターの変わらない影響力を浮き彫りにしています。
直近12カ月間の旅行の内訳
ビジネス
海外
39
%
25%
17
%
ビジネス
レジャー
海外
24%
25
%
41
%
海外
19%
17%
15%
22
%
ビジネス
国内
59
%
国内
61
%
36
%
レジャー
2~3
回
4~5
回
6~7
回
8~10
回
11~24
回
レジャー
国内
ビジネス
レジャー
国内
海外
APAC地域のカード発行銀行は、有意義な体験を戦略に取り入れることで、成長と差別化を図ることができます。このプロアクティブなアプローチは、進化する消費者ニーズに対応するだけでなく、顧客の獲得、維持、利用率の向上を促進する可能性を秘めています。
調査の主なハイライト
#1:
旅行特典が決済カードの取得を促進
#2:
旅行は重要な消費カテゴリーであり、消費者予算の多くの部分を占める
#3:
旅行のリワードと特典が決済カードの利用を促進
#4:
特典交換がエンゲージメントと利用を促進
#1:
旅行特典が決済カードの取得を促進
平均所有カード枚数
クレジットカード年会費あり
クレジットカード年会費なし
デビットカード
性別
1
1
1
1
男性
2
1
1
1
女性
世代
2
1
1
1
Z世代
1
1
1
1
ミレニアル世代
1
1
1
1
X世代
2
1
1
1
ベビーブーマー世代
調査によると、全回答者が少なくとも3枚の決済カードを所有(デビットカード1枚、クレジットカード2枚)しており、クレジットカード1枚には通常年会費があります。女性は、男性の3枚に対し、一般に4枚の決済カードを所有しており、Z世代やベビーブーマー世代と同様に、デビットカードを2枚持っていることが多いです。
クレジットカードを調べたチャネル
財布のスペースが限られる中、カード会員の大多数(回答者の92%)が、申し込み前に各カードのリワードや特典を調べ、比較しています。その際に使うチャネルで最も多いのは銀行のウェブサイトとソーシャルメディア・アカウントです。これは、金融サービスにおける透明性とアクセシビリティに対する需要の高まりを反映したもので、消費者は銀行が魅力的な特典を提供し、それを宣伝することを期待しています。ウェルカムパックも重要な情報源であり、25%がカードの特典について詳しく知る手段としてウェルカムパックを挙げています。
49
%
銀行のウェブサイトとソーシャルメディア・アカウント
45
%
検索エンジン、ブログ、オンラインレビュー、フォーラム
43
%
取引のある銀行から連絡があった/取引のある銀行に問い合わせた
41
%
広告
39
%
旅行関連プラットフォーム上の広告
37
%
取引のある銀行からマーケティングのEメールやパンフレットを受け取った
33
%
友人や家族に相談した
22
%
パートナーにすすめられた
クレジットカードの特典を調べることの重要性
消費者のクレジットカード特典のランキング
51
%
45
%
とても重要だ:最高の特典があるカードを探す
旅行特典(マイレージの獲得や交換、空港ラウンジへのアクセスやオファー、旅行保険など)
41
%
26
%
日常的なリワード(キャッシュバック、オファー、割引など)
重要だ:他の多くの要素と同様に特典も探す
7
%
16
%
カードのプレステージ
少し重要だ:他の要素に、より関心がある
1
%
13
%
入会ボーナス
まったく重要でない
調査ではさらに、カード会員はCVPについてよく認識しており、自分の消費習慣やライフスタイルに最も合った特典を最大限に利用できるカードを選んでいることが明らかになりました。消費者が決済カードに求める特典のトップ は旅行関連です。回答者の45%が、クレジットカードの入会を決める際、旅行特典は日常的なリワードやカードのプレステージ、入会ボーナスを上回る最も重要な要素であると回答しています。
憧れであるという旅行の特質のため、旅行関連の特典はカード会員を惹きつけ、感情的に結びつける傾向があり、カードとカード会社を競合と差別化する独自の獲得提案を生み出します。
旅行は重要な消費カテゴリーであり、消費者予算の多くの部分を占める
#2:
カテゴリー別の年間カード支出中央値
年会費のあるクレジットカードを利用している回答者について見ると、旅行(旅行関連と海外での支出の両方を含む)は、すべての市場において最も高い支出カテゴリーの一つであり、年間支出の約3分の1を占めています。これに匹敵するカテゴリーは、食料品や小売店での買い物といった日常生活費だけです。
US$4,854
US$4,763
US$3,608
US$1,801
US$1,749
US$1,049
食料品、小売店での買い物
旅行関連、海外での支出
食料品、小売店での買い物
請求書の支払い
交通費
娯楽費
APAC地域の国別の年間カード支出中央値
シンガポール
US$10,619
US$10,920
香港
US$7,336
US$4,408
オーストラリア
US$7,288
US$8,002
マレーシア
US$5,939
US$4,408
韓国
US$5,553
US$6,077
タイ
US$5,548
US$6,845
台湾
US$5,154
US$3,534
中国
US$5,014
US$4,612
日本
US$4,529
US$5,357
バングラデシュ
US$4,304
US$2,806
ベトナム
US$4,227
US$4,164
インドネシア
US$3,395
US$4,234
インド
US$3,175
US$3,671
フィリピン
US$3,085
US$5,106
旅行関連、海外での支出
食料品、小売店での買い物
クレジットカードの旅行関連および海外での支出の中央値は4,763米ドルで、国によって大きく異なります。シンガポール、香港、オーストラリアの消費者が大きな支出を示しており、これは、富裕層が集中し、贅沢な旅行体験を好むことも影響しています。
世代別の年間旅行・海外支出
US$5,201
世代別では、ミレニアル世代が旅行支出でリードしており、年間平均5,201米ドルです。これは、この世代が体験的な活動を強く好み、そうした体験を高める製品やサービスを高く評価していることを反映しています。2025年までにAPAC地域の消費者の半数がミレニアル世代以下になると予測されていことから、この傾向は重要です。ことから、この傾向は重要である。
US$4,641
US$4,612
US$4,461
Z世代
ミレニアル世代
X世代
ベビーブーマー世代
フリークエント・トラベラー、ミレニアル世代、Z世代は、クレジットカード発行者にとって貴重なデモグラフィックです。これらのグループに焦点を当てることで、銀行は市場での地位を高め、収益成長を促進できる可能性があります。
#3:
旅行のリワードと特典が決済カードの利用を促進
「決済カードに旅行のリワードや特典がある場合、日々の支払いもカードを使う傾向が強くなります」
APAC地域のカード会員の92%は、決済カードに旅行のリワードや特典があることで、日常と旅行の両方の支出にカードを利用する可能性が高まると回答しています。
92
%
2024
76
%
2023*
これは、旅行のリワードと特典が消費者行動を促進する上で重要であることを明確に示します。また、旅行のリワードと特典の影響力に関する消費者のセンチメントが、同一ではないが類似の回答者コホートによる昨年の結果と比べて増加したことも示されています。
「決済カードに旅行のリワードや特典がある場合、日々の支払いもカードを使う傾向が強くなります」
92
%
2024
78
%
2023*
データ出典:「2024 旅行特典および顧客エンゲージメントに関するレポート」および「エンゲージメントの新しいルール:顧客の期待が明らかに」(2023)
旅行特典は、消費者がカードを旅行で利用する動機付けになるだけでなく、日常的な消費習慣にも影響を与えます。このように、カード利用に対する旅行特典の影響の大きさが浮き彫りになりました。
#4:
特典交換がエンゲージメントと利用を促進
消費者の直近6カ月間のクレジットカードに関する行動
50
%
クレジットカードのリワードを旅行関連の特典に交換した
49
%
クレジットカードのリワードをギフトや商品に交換した
36
%
カード会社のオンライン・ポータルを通じて買い物をし、獲得ポイントを増やした
33
%
追加のリワードや特典を得るために特定の支出行動を取った
32
%
カード会社のオンライン旅行予約ポータルを利用した
28
%
支出カテゴリーのリワードを最大にするためにカードを使い分けた
27
%
クレジットカードのポイントを航空会社のマイレージプログラムに移行した
23
%
リワードやキャッシュバックのようなオファーを目当てに、新しいクレジットカードを申し込んだ
23
%
リワードやキャッシュバックのようなオファーを目当てに、新しいクレジットカードを申し込んだ
20
%
初回オファーの条件を満たすよう、新規入会のタイミングを高額な買い物に合わせた
回答者の50%が直近6カ月間にクレジットカードのリワードを旅行関連の特典に交換し、次いで49%がギフトや商品に交換しました。交換行動におけるこの二大カテゴリーは、厳しい経済情勢下でも、旅行が依然として憧れであり、日常的な交換対象と同等にカードに関する行動の主要な原動力であることを示しています。
興味深いことに、クレジットカード発行者は適切なインセンティブや特典によって、消費者の行動を動機付けることもできます。回答者6%がポイントを獲得するためにカード発行者のウェブサイトを通じて買い物をし、33%が追加のリワードを得るために買い物をしたことがあります。カード会員のほぼ3人に1人(28%)は、支出カテゴリーごとにリワードを最大にするためにカードを使い分けており、これはCVPに対する認識と、最も特典を受けられるカードを利用したいという嗜好を反映しています。
この調査を補完するように、顧客エンゲージメントとロイヤルティに関する私たちの以前の調査によれば、ほとんどの消費者は、最も頻繁に利用するブランドと感情的なつながりを持っています。これは、銀行が機能的なニーズを満たすだけでなく、より感情的なエンゲージメントと価値を高めることに注力する機会をもたらします。
76
%
好みのブランドに感情的なつながりを感じる
データ出典:「エンゲージメントの新しいルール:顧客の期待が明らかに」(2023
銀行は、予算管理ツール、貯蓄口座、投資機会などの金融ソリューションを提供することで、消費者にとって重要な役割を果たしています。しかし、消費者のニーズは多様化し、進化しており、銀行にはユーティリティから消費者の生活に不可欠な存在へと拡大する機会があります。
リワード戦略は、カード発行者にとって、利用頻度や利用といったカード会員の行動に効果的に影響を与えるために不可欠です。
「消費者は旅行に対して強く前向きなマインドを持っており、特に金融サービス部門の各ブランドは、旅行を重要な競争優位性として活用するまたとない機会を得ています。ラウンジへのアクセス、優先セキュリティ・チェック、空港送迎、食事、免税のオファーなど、旅行や空港関連の特典や体験を顧客エンゲージメントおよびロイヤルティプログラムに統合することで、ブランドは顧客価値の提案をレベルアップし、顧客満足度を高め、競合他社との差別化を図り、測定可能なビジネスインパクトをもたらすことができます」
ローハン・バラ
コリンソン・インターナショナル
アジア太平洋部門ビジネス・ソリューションズ担当バイス・プレジデント
進むべき道:旅行で新たな成長機会を生み出す
本レポートで収集された洞察によれば、APAC地域の銀行は、消費者の期待や市場からの圧力が急速に進化するダイナミックな状況に対処し続けています。旅行は消費者にとって優先事項であり、憧れであるというその特質は将来も続くことが予想されます。本レポートでは、旅行関連のリワードや特典に対する強く持続的な需要が、消費者の決済カードの選択と行動に大きく影響していることが明らかにされています。消費者は、特に旅行など自分の興味に合った特典のあるクレジットカードを好むため、旅行関連のリワードは決済カードを選ぶ際の重要な差別化要因となります。
こうした結果は、2022年と2023年に実施された類似の調査と一致しており、旅行が消費者にとって依然として重要な優先事項であり、その重要性が徐々に高まっていることを示しています。景気の不透明感やパンデミック関連の規制にもかかわらず、消費者は旅行予算を削減するよりも、食事やジムのメンバーシップ、ストリーミング・サービスへの支出を減らすことを選びました。このような洞察は、旅行が消費者の行動やロイヤルティに与える力と影響力の大きさを浮き彫りにするものです。
カードの特典を消費者の嗜好に合わせることは、顧客満足度を高めるだけでなく、カードの知覚価値を高めます。決済カード発行者にとって、CVPにおけるこの強い相関性を理解し、活用することは、市場での地位と顧客ロイヤルティを高めるために不可欠です。しかし、銀行は、価格設定やリワード戦略が個々の消費者のニーズにカスタマイズされていない、最大公約数的なアプローチの罠に陥りがちです。この時代遅れのモデルでは、カード会員をさまざまな嗜好と支払い意欲を持つ個人として認識していません。リワード戦略を設計する際には、これらの違いを、個々の消費者の価値とロイヤルティを認識し、特定の時点における個々の消費者の特定のニーズに最も共鳴する特典で見返りを与える、という方法で考慮することが極めて重要です。
コリンソン・インターナショナルは、旅行における顧客エンゲージメントと顧客体験に関する広範な専門知識を有し、銀行やカード発行会社がこうした課題に効果的に対処できるよう支援する立場にあります。私たちは、消費者の嗜好や行動に対する深い理解を活用し、革新的な戦略を駆使することで、銀行が現代のカード会員の心に響く魅力的な体験を作り上げることを支援できます。
魅力的な旅行のリワードを通じて顧客エンゲージメントを強化するコリンソンの専門知識をご覧ください。当社の専門家とご相談になり、顧客満足度とロイヤルティを高めるオーダーメイドの戦略をご検討ください。
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調査方法
この調査は、APAC地域の14の市場における、年会費があり、リワードまたは特典のオファーのあるクレジットカードを所有するフリークエント・トラベラーを対象としたものです。この調査では、クレジットカードの選択基準に関する消費者の嗜好、空港ラウンジへのアクセスやプライオリティ・パスの空港ラウンジ・旅行体験プログラムなどの旅行関連特典に関する認識、旅行行動や消費行動について調査しました。
データ収集会社のCintが2024年4月に実施したこの調査は、年間のリワードまたは特典のあるクレジットカードを所有し、過去1年間に少なくとも2回飛行機で旅行したことがあるという特定の審査基準を満たした7,250人を対象としています。回答者は多様で、年間旅行回数の中央値は6回でした。回答者の51%が男性、49%が女性で、平均年齢は41歳でした。特筆すべきなのは、70%が親であり、80%にパートナーがいて、81%がフルタイムで働いていたことです。世帯年収の中央値は58,000米ドルでした。
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コリンソン・インターナショナルについて
コリンソンは、世界中を安心して旅行できるようにすることを追求する、グローバルな民間企業です。コリンソンは、世界の1,400を超える銀行、90の航空会社、20のホテル・グループなど、世界有数の決済ネットワークと連携しています。4億人を超える最終消費者に、市場をリードする空港体験、ロイヤルティと顧客エンゲージメント、保険ソリューションを提供しています。
コリンソンは、世界初の先進的な空港体験プログラムであるプライオリティ・パスを運営しています。1,600を超える空港ラウンジへのアクセスが可能なだけでなく、ご飲食、ショッピング、仮眠、スパなどの旅行体験も145カ国の725以上の空港で楽しむことができ、旅行を特別なものにするお手伝いをします。
Music
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Sport
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