ウーマノミクスの25年
25 years of
当社元アジアマクロリサーチ共同ヘッド兼日本株式チーフ・ストラテジストの
キャシー・松井氏が、「ウーマノミクスが買い」レポートにて日本における女性の労働参加がもたらす経済的可能性を提言して以来25年が経過した。
"Women’s contribution to the labour force is difficult to overstate. In Italy, for example, the workforce would have shrunk in recent years but for women's greater participation. The number of women CEOs in the S&P 500 has doubled in the last 5 years. But there is plenty more economic opportunity; our research both shines a light on the remaining gaps and investigates ways to narrow them.."
SHARON BELL
当初のウーマノミクスレポートは日本の政策立案に貢献し、世界中の平等で包摂的な経済成長のための幅広いリサーチにつながった。また、ウーマノミクスは、2008年のGS10,000Womenイニシアチブの立ち上げにも貢献した。
本稿では、25年間のウーマノミクスを回顧する。
1999年9月「ウーマノミクスが買い」レポートを発行。松井氏とチームは、低迷する日本経済において、女性による消費が重要な強みであると強調した。チームは、女性の労働参加率の増加が長期的な経済成長に与える影響を分析した。
「将来の潜在的な経済成長は、女性の労働参加率の向上にかかっている。現在の50%から米国並みの59%にまで参加率を引き上げることで、今後10年間で実質GDP成長率は年率0.3%ポイント上昇する可能性がある。」
ウーマノミクスが買い
- キャシー・松井
日本
1999
2005
シリーズの第2弾では、当社のグローバルエコノミストが、女性の労働参加率の増加が日本の長期的なGDP成長トレンドに与える影響をモデル化した。
当社のストラテジストとエコノミストは、引き続き労働での平等を主張し、日本の男女雇用格差を埋めるための提言を行った。また、チームは、ウーマノミクスの長期的な成長から恩恵を受ける可能性のある企業を特定した。
ウーマノミックス:日本の含み資産
- キャシー・松井
日本
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当レポートでは、BRICs諸国とN-11諸国で女性教育が経済に与えうる影響を分析した。当社のストラテジストは、適切な政策がとられた場合に女性教育がもたらすであろう「成長プレミアム」をベンチマークで示した。
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天の半分は女が支える
- サンドラ・ローソン
グローバル
2008
スタート
グローバルなテーマ展開
当社のエコノミストは、オーストラリアにはすでに高学歴労働者の代替供給源が存在しており、適切な政策オプションを組み合わせることで、この労働力のプールを解放することができると主張した。
オーストラリアの隠れた資源:女性の労働参加を増やす経済的根拠
- Tim Toohey
オーストラリア
2009
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前回2005 年のウーマノミクスレポート発行以降の進捗を検証し、女性の就労を拡大するために官民両部門での10 の施策を提案した。
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ウーマノミクス3.0: 待ったなし
- キャシー・松井
日本
2010
ウーマノミクスの進捗
ウーマノミクスに関する最初のレポート発行から15年が経過。当レポートでは、ウーマノミクスに関する5つの質問への回答と、 政府・企業・社会への3つの提言を示した。
ウーマノミクス 4.0: 今こそ実行の時
- キャシー・松井
日本
2014
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ウーマノミクス初回レポート発行から20年目の節目に、これまでの進捗状況を検証し、改善が必要な分野を洗い出して提言を行った。
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日本 Portfolio Strategy ウーマノミクス5.0:20年目の検証と提言
- キャシー・松井
日本
2019
エマージング市場におけるウーマノミクス関連投資のリターンを新興国ソブリン債市場で検証した。
エマージング市場のウーマノミクス投資
- Sara Grut
2021
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欧州の女性就業率における変化と、国ごとの相違点を検証した。
ウーマノミクス:前進する欧州
- シャロン・ベル
ヨーロッパ
2020
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ブラック・ウーマノミクスの初回レポートでは、黒人女性が直面する格差を、幅広い経済指標(資産、収入、ヘルスケアのアクセス等)から考察し、 格差解消のための施策を提言した。
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ブラック・ウーマノミクス
- Daan Struyven and Gizelle George-Joseph
米国
2021
ブラック・ウーマノミクスの推進
当リサーチでは、黒人女性が起業において直面する格差と、それらの格差をもたらす経済的および社会的要因、そして収入、資産、エコノミック・モビリティ(所得階層移動)への影響に焦点を当てた。
ブラック・ウーマノミクス起業と格差解消
- Gizelle George-Joseph
米国
2022
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This inaugural report of Asianomics reviewed the key economic trends shaping the Asian American experience, highlighting both the group’s successes as well as the challenges and significant heterogeneity the group still faces.
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Asianomics in America: Contributions and Challenges
- Daan Struyven
UNITED STATES
… followed by Asianomics
新興国
「天の半分は女が支える」発行以来の、ウーマノミクスの進捗を考察し、今後の課題、注目点をまとめた。
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(依然として)天の半分は女が支える
– シャロン・ベル, Sara Grut
グローバル
2023
A look at progress 15 years on
ウーマノミクス初版レポート発行から25年の節目となる今回の最新号では、当初のテーマに回帰しながらグローバルでの進捗を検証し、改善への制約となっている課題と今後の進展への機会を考察した。
ウーマノミクス:静かなる革命-あれから25年
- シャロン・ベル, 田中 百合子
ウーマノミクス:静かなる革命-あれから25年
2024
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最新レポートではウーマノミクスの25年を検証
進捗は見られるが...
多くの国でで女性の労働参加率は上昇傾向にあり、男女賃金格差はほぼゼロまで縮小した。
まだ改善の余地はある...
企業の幹部、特に役員クラスの女性の少なさは顕著で、状況にあまり変化は見られない。企業の管理職の上位になると女性比率は大きく低下する
ウーマノミクスのインパクト
政策立案
安倍政権(当時)はウーマノミクスを日本の成長戦略の柱の一つに位置づけた。安倍首相はウーマノミクスに関して、複数の成果目標(KPI) を掲げた。
2012 年度より、経済産業省と東京証券取引所は共同で、女性人材の活用に積極的な上場企業を「なでしこ銘柄」として選定し、公表している。
2013年に 内閣府は上場企業に対して、コーポレート・ガバナンスに関する報告書で、女性の活躍状況の積極的な開示を要請した。
安倍首相は 2014 年 1 月、ダボスにおける世界経済フォーラム年次会議の冒頭演説で多様な労働環境の重要性を述べた。2020年までに社会の指導的立場に占める女性の割合を30%に引き上げる目標を掲げた。
GS 10,000 women
ウーマノミクスは、2008年のGS 10,000 Womenイニシアチブの立ち上げに貢献した。当社は43か国10,000 人の女性にビジネスとマネジメント教育、メンタリング、ネットワーキングを提供することを目的としてスタートした。
以来、同イニシアチブは、150以上の諸国で20万人を超える女性起業家をサポートしてきた。
参考サイト
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Sharon Bell
Women’s contribution to the labour force is difficult to overstate. In Italy, for example, the workforce would have shrunk in recent years but for women's greater participation. The number of women CEOs in the S&P 500 has doubled in the last 5 years. But there is plenty more economic opportunity; our research both shines a light on the remaining gaps and investigates ways to narrow them.
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YURIKO TANAKA
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ジェンダー平等への道のり
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In this podcast from 2019, Kathy discussed the progress made over two decades and where challenges remained. “I believe Womenomics is working in Japan’s context,” Matsui said, although she noted that it remained “a work in progress” with significant room to improve the nation’s gender leadership and pay gap.
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女性の労働参加率は先進国全般に上昇
女性労働参加率(15-64歳、%)、直近データは2022年
40歳未満の常勤雇用者の男女賃金格差はほぼゼロ まで縮小
英国:常勤雇用者の平均的な時間当たり総賃金(時間外労働を除 く)の男女格差(1997‐2023年)
企業の役職構造の上層になればなるほど女性比率は大きく低下
様々なポジションの平均女性比率、2023年または2024年時点の直近のデータ、S&P 500社(米国)、STOXX 600社(ヨーロッパ)、TOPIX構成企業(日本)
欧米の女性CEO比率は現在の7-9%に対してかつてはわずか1-2%
STOXX 600社、S&P 500社、TOPIX構成企業の女性CEO比率
出所:ハーバーアナリティクス, OECD, ゴールドマン・サックス・グローバル投資調査部
英国統計局(ONS)は、時間当たり平均賃金の男女差を男性の時間上がり平均賃 金と比較し、男女賃金格差率を算出。
出所:ONS, ゴールドマン・サックス・グローバル投資調査部
出所:データストリーム, ファクトセット, ゴールドマン・サックス・グローバル投資調査部
出所:ブルームバーグ, データストリーム, ゴールドマン・サックス・グローバル投資調査部
当社の取り組みに関するメディア報道
「女性の労働参加による貢献を過大評価しすぎることはない。例えば、イタリアでは、女性の労働参加がなければ、労働力は近年縮小していただろう。S&P500指数採用会社の女性CEOの数は過去5年間で2倍になった。しかし、まだ多くの経済的機会が残されている。当社の調査は、残された格差に焦点を当てるとともに、その格差を縮小する方法を調査する。」
シャロン・ベル
オーストラリアで進展が見られた分野を検証し、残存するジェンダーギャップを埋めることによる潜在的な成長への押し上げ効果を再試算し、政府や企業が進展を加速させるために採用できる政策オプションを提案した。
オーストラリアのウーマノミクス改善はみられるも改善ポテンシャルは高い
- Andrew Boak
オーストラリア
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Goldman Sachs One Million Black Women(100万人の黒人女性)プログラムは2030年までに100万人の黒人女性に経済的機会を提供することを目的とした、100億ドルの投資コミットメントと1億ドルの慈善資本からなるイニシアチブである。当社のブラック・ウーマノミクス調査に基づき、このプログラムはこれまで約30億ドルの投資資本と3,940万ドルの慈善資本を投入し、30万人以上の黒人女性の生活に影響を与えるための基盤を築いてきた。
参考サイト
Shaping government policy
Womenomics became one of the main pillars of the Growth Strategy of Japan’s then Prime Minister Shinzo Abe’s government. He articulated several KPIs for his “Womenomics” agenda.
In 2012, the Ministry of Economy, Trade and Industry, and the Tokyo Stock Exchange, jointly selected and publicized listed firms that were exceptional in encouraging women’s success in the workplace and granted them the “Nadeshiko Brand” designation.
In 2013, the Japan's Cabinet Office urged listed firms to proactively disclose gender-related statistics in their corporate governance reports.
As part of his keynote speech at the World Economic Forum Annual Meeting in Davos in January 2014, PM Abe highlighted the importance of a diverse working environment. He laid out a 2020 target of making 30% of leading positions occupied by women.
GS 10,000 women
Womenomics was instrumental in the launch of the GS 10,000 Women initiative in 2008. The firm aimed to provide 10,000 women from across 43 countries with business and management education, mentoring and networking.
Over the years, the initiative has supported over 200,000 women entrepreneurs across 150+ countries.
Source
Impact of Womenomics
2019年のポッドキャストで、松井氏はこの20年間で達成された進捗と、まだ課題が残っている分野について議論した。「ウーマノミクスは日本の背景に即して機能していると私は信じている」と松井氏は述べましたが、その「改善は進行中」であり、日本のジェンダーに関するリーダーシップと賃金格差を改善する余地がまだあると指摘した。
In this podcast from 2019, Kathy discussed the progress made over two decades and where challenges remained. “I believe Womenomics is working in Japan’s context,” Matsui said, although she noted that it remained “a work in progress” with significant room to improve the nation’s gender leadership and pay gap.
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グローバル
